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週に1本は劇場で映画を観る!が合言葉。 主に映画、時々小説の感想を脳内垂れ流しで書きなぐるブログ。ネタバレあり。
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東京島 
2010年09月25日 (土) | EDIT |
 シネ・リーブル池袋にて鑑賞
東京島東京島
2010年/日本/129分
監督: 篠崎誠
出演: 木村多江/窪塚洋介/福士誠治/柄本佑/木村了
公式サイト
公開: 2010年08月28日


清子は夫の隆と結婚20周年記念に世界一周旅行に行くが、途中で嵐に遭い、ともに無人島に流れ着く。いくら待てども救助が来る気配はなく、途方に暮れた頃、与那国島でのバイトから逃げ出してきたという16人の若いフリーターの男たちが島に漂着する。フリーターたちは島のあちこちに東京の地名を付けて、ここを東京島と呼び始めるが、そんな中、隆が不審な死を遂げる。清子は唯一の女としてちやほやされ、フリーターたちのリーダー、カスカベの女になるが、ワタナベだけはそんな清子を“オバさん”と吐き捨て、カスカベたちと行動を異にし、“トーカイムラ”と名付けられた海岸で過ごしていた。そこへ、新たに6人の中国人密航者たちが漂着、ワタナベは中国人たちと過ごすようになる。しかしカスカベもまた不審な死を遂げ、気落ちする清子に、フリーターたちは清子の新しい夫をくじ引きで決めることにしたと言う。新しい夫として選ばれたのは、東京島に来るまでの記憶を失くしてしまったというGM。暴力的で嫉妬深いカスカベとは違い、優しくて穏やかなGMに清子は癒されていく。ところが、中国人たちが船を作り島を出ようとしているのを見た清子は、思わず船に飛び乗り、中国人たちと島を脱出する―――――


原作未読です。「ダーク」でがっかりしてから桐野夏生読まなくなったなぁ。「顔に降りかかる雨」とか「OUT」とか好きだったんだけど。
何が言いたかったのか、さっぱりわからない…
サバイバル映画かと思いきや、これ、サバイバルじゃないよね。食べ物は果物 が潤沢にあるわ、海に行けば魚 は獲れるわ、何故か野生の豚 はいるわ、水にも困っていないようだし(どこかに雨水を溜めているとか水が湧いているという場面はなかったが)、まーパラダイスですね。助けを呼ぼうともしていないし(近くを船が通りかかった時のために、のろしを上げるとか)、かといって、生きるためにそれこそ果物栽培とかもしていないし、塩を取ることもしてないんだから呆れた(でも酒は作れる?)。中国人たちはサバイバル能力あるよね。わたしだったらあっち行くわと思ってしまった。と言うか、協力し合って暮らしていけばいいのに…別にいがみ合っていた訳じゃないんだし、結構友好的な中国人だったけど。
それ以前に、こんなに人が流れ着く島で、栽培している様子もないのに食べ物があるとなると、何故無人島なんだろうとかそっちの方が気にかかるけどね(笑)

23人の男に1人の女、こんなものすごく美味しいシチュエーション、どう料理するんだと思っていたら、どうでもなく。カスカベだけはぎゃーぎゃー言っていたものの、他の男たちが清子を奪うでもなく、新しい夫を選ぶのにくじ引きって(しかも全員参加じゃない)…どんだけ草食系? 清子をめぐって争いが起こっている訳でもないのに、わざわざ新しい夫を決める必要あるか?
元々はモデルになった実話があるらしいんだけど(アナタハンの女王事件)、そっちでは本当に争いになって不審死が相次いだとのことで、そっちの方が面白そうだなあ、なんて思ったり。

ラストも、なんじゃこりゃって感じ。
キムが「子供を放しちゃ駄目よ」とか言っていたのに、乱闘になったらあっさりと「この子だけでも助けないと!」とか言い出したり( Σ(゚Д゚;エーッ! でしたよホント)、GMが「俺がこの子を育てる!」とか、母親から引き離された乳幼児がミルクもなくてどうやって育つんだ。
その後、日本にたどり着いた清子が、10年間島を探そうともせずに日常に戻っていたってのも ( ゚Д゚)ポカーン だけども、チキに「話したいことがあるの」って… ( ゚Д゚)ハァ? ですよ。何話すんだ。東京島っていう無人島があって、あなたの双子の兄弟がねとか言うの? 何故置いてきたの? 何故探さないの?て話になったらどう答えるんだ? キムも故郷に置いてきた子供を迎えにいった気配もないし、意味深にワタナベの亀の甲羅を椅子にかけられても…

時間の経過がわかりづらいのもなぁ。。。清子はともかく、着の身着のまま逃げてきたフリーターたちは服がないはずなのに、妙に小奇麗で、外見も変わらないし、妊娠したってことは1年以上経っているのはわかるけど…。最後の10年後の描写も酷かったけどね。木村多江、全然10年経ったように観えない。

原作を読んだ友人が「木村多江はイメージと違う。もっと逞しいオバさん、って感じ」と言っていたけど、確かに木村多江では綺麗すぎるなあ。まず43歳には観えない。途中、鏡を見て自分の変貌振りに愕然とするシーンがあったけど、全然変わってないし、ワタナベに「この島に来て太ったのってあんたくらいだ」と言われていたけど、太ってないし(笑)
ただ、木村多江は頑張っていたし、隆が死んだ後、フリーターたちと暮らす清子の口調が媚々でいいなあ。生きていくために、強そうな男に擦り寄っていく清子の気持ちはすごく良くわかるし、というか当たり前だなと。
あと、ワタナベ役の窪塚洋介がハマってた。エキセントリックな人というイメージが強くて、彼の演技は初めて観たんだけど、上手いねえ。犬吉を見ていた時の目線とか、ぞくぞくしちゃった。

評価:★(1.0)
もうツッコミどころありまくりで、原作を読もうという気にならないくらい、破綻していた。少なくともサバイバル映画ではないし、島で繰り広げられるどろどろの人間模様が描かれている訳でもない。役者は悪くなかったけど、オススメはしません。


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監督:篠崎誠
出演者:木村多江、 窪塚洋介、 福士誠治、 柄本佑
収録時間:129分
レンタル開始日:2011-01-26

Story
桐野夏生の同名ベストセラー小説を、『ゼロの焦点』の木村多江主演で映画化したサバイバルドラマ。世界一周クルーズの途中で嵐に遭い無人島に流れ着いた清子は、新たに漂着した16人の男たちと共同生活を始め、彼らから女王のような扱いを受けるが…。 (詳細はこちら

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THEMA:映画館で観た映画
GENRE:映画
TAG:篠崎誠 木村多江 窪塚洋介 福士誠治 柄本佑 木村了 桐野夏生 
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この記事へのコメント
もったいない
私はDVDを観たあと原作を読みました。描写がぜんぜん違ってて、原作の方がずっとリアルで面白い!と思いましたよ。ぜひ原作を読むことをオススメします。
2011年08月06日(土) 01:30 |   | ネコ #-[ EDIT]
ネコさん
コメントありがとうございますv-411

> 私はDVDを観たあと原作を読みました。描写がぜんぜん違ってて、原作の方がずっとリアルで面白い!と思いましたよ。

そうなんですか。確かに、原作を読んだ友人もそこそこだったと言っていたような。
機会を見つけて読んでみますね。また印象が変わるかも。
2011年08月06日(土) 23:56 |   | りお(管理人) #xPbS6JcU[ EDIT]
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