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硝子のハンマー 
2011年06月22日 (水) | EDIT |
硝子のハンマー硝子(ガラス)のハンマー
著  者: 貴志祐介
出版年: 2008年
出版社: 角川書店/角川文庫

年末も押し迫ったある日曜日、港区にある12階建てのオフィスビル、通称ロクセンビルでこと六本木センタービルで、テナントである介護サービス会社“ベイリーフ”の社長が撲殺される。室内に社長以外の姿はなく、社長室の前に設置されていた監視カメラにも出入りした者の姿は映っておらず、社長室は完全に密室状態となっていた。内扉から社長室に出入りすることが出来たため、専務の久永篤二が容疑者として逮捕されるが、本人は犯行を否定、その時間は眠っていたと主張していた。新米弁護士の青砥純子は久永の弁護を依頼されるが、久永の容疑を解く手がかりは見つからない。煮詰まった純子は、先輩弁護士から紹介された防犯ショップの店長、榎本径を訪ねる。久永以外の人間が部屋に侵入できたことを証明するため、2人は社長室を調べるが―――――


昔々読んだんですよね。調べたら続編が出ているとのことで、中身をすっかり忘れていたので読み直してみました。
貴志祐介には珍しく本格もの。基本ホラーの人だと思っているので、意外 でした。「青の炎」もちょいと毛色が違いますが。

前半は王道の密室トリックで、主役コンビがそれぞれの背景も交えながら、かけあいで密室トリックを解こうとする様子。後半は犯人がこの犯罪に至るまでの事情を描いています。
全体的には面白く読めたんだけど、前半と後半とちょっとカラーが違うので、違和感はありました。
前半はかなり軽いタッチで、これはこれでいいんだけど、個人的には後半の椎名の事情の方が良かった。これ、切り離した方が良かった気がするなー。
椎名の事情を読んでいて「火車」を連想しました。彼の運命は気の毒だと思うし、現状を打破するために新しい戸籍が必要だったのはわかるけど、ダイヤ を盗むまではともかく、社長を殺す必要性が薄い気がする。ダイヤは表ざたにできない性質のものなんだから、殺さなくても社長は警察には届けられないんじゃないの?(ま、そうしたら久永専務に当然疑いの目は向けられるだろうけど) 椎名もそうは考えるのに、そこから「あいつを殺して何が悪い」になっちゃうのがちょっとなあ。策士策に溺れるじゃないけど、自分の考えたアイデアを形にしたい、これは警察もわからないだろうという驕りもあっただろうと思うけど、それだけで人を殺すかなあ、とちょっと思ってしまいました。

純子と榎本のコンビは、まぁいいんじゃないでしょうか。榎本は純子に好意を抱いているようだけど、純子は榎本の過去を疑っているのであんまり恋愛に発展しそうにない気はするけど。でも、弁護士だから、相手の過去には拘らないのかしら。榎本の怪しげな過去も小出しにされているので、これから明らかにされるのかな。

榎本による防犯レクチャーは面白かった。人間が作った以上、破れない鍵はないのかな。これ読んでいると、ウチの防犯甘いかもという不安に襲われるわ。

評価:★★★(3.0)
貴志祐介が本格、という意外性に ( ´・∀・`)へー という感じ。殺人の動機がいまいち弱いものの、面白かったですよ。

さて、続編に取り掛かります。


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THEMA:ミステリ
GENRE:小説・文学
TAG:貴志祐介 「防犯探偵・榎本」シリーズ 日本推理作家協会賞 
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