2011年08月22日 (月) | EDIT |


著 者: スティーグ・ラーソン
訳 者: ヘレンハルメ美穂/山田美明
出版年: 2009年
出版社: 早川書房
天才ハッカー、リスベット・サランデルは、ヴェネンストレム事件で手に入れた大金を元手に、ストックホルムを離れて世界を旅していた。社会派雑誌“ミレニアム”の編集者ミカエル・ブルムクヴィストは、リスベットと突然連絡が取れなくなったことが気がかりで、彼女の勤務先ミルトン・セキュリティーを時折訪れていたが、杳として彼女の行方は知れなかった。一方、リスベットに叩きのめされた彼女の後見人ニルス・エリック・ビュルマン弁護士は、リスベットに復讐する機会を窺っていた。リスベットの過去を調べていくうちに、彼女が12歳の時におこした事件と、そのために彼女を憎む人物が自分以外にもいることを突き止め、彼女を拉致する計画に巻き込もうとしていた。
1年半が経ち、リスベットはようやくストックホルムに帰ってくる。その頃、ミレニアム編集部に、フリージャーナリストのダグ・スヴェンソンが売春・人身売買とその裏にある組織を告発する記事を売り込みにやってくる。ダグの恋人ミアは犯罪学者で、同じテーマで論文を書いており、買春客の実名を調べているなど裏付けも取れていた。ミレニアムは彼の記事を取り上げることを決め、着々と準備を進めていた。その矢先、ダグとミアが殺され、ダグと会う約束をしていたミカエルは第一発見者となってしまう。その現場に残された凶器の銃からリスベットの指紋が発見され、また銃の持ち主であるビュルマンのもとを訪ねた警察がビュルマンの遺体を見つけたこと、リスベットが裁判所から無能力者と宣告されているということから、捜査チームはリスベットを犯人として指名手配する。リスベットが無能力者であり後見人がいたという事実にショックを受けるミカエルだったが、どうしても自分が知っている彼女と結びつかず、またリスベットにダグとミアを殺す理由がないことから、ミカエルはリスベットを信じることを決め、真犯人を探すべく調査を始める―――――
「ミレニアム」シリーズの第2弾です。
1作目もそうだったけど、どうも余計なシーンが多い気がする。物語の肝となる事件、ダグとミアが殺されるのって上巻の2/3が過ぎたあたりで、そこまではホントどうでもいい、ヴェネンストレム事件で大金を手に入れたリスベットがグレナダで優雅に過ごすリゾートライフなんだもん。この辺はもっと省略できると思う。グレナダに台風がやってくるとか、隣の部屋の夫婦がどうとか、何か絡んでくるのかと思ったら全然絡まないし、フェルマーの定理がどうとか、どうでもいいわ。映画ではそこは完全に切っていたけど、正解だ。
実際に事件が起こってからは急展開するので、そこからは引き込まれていくんだけど、それにしても余計だなと思うシーンも多い。
登場人物も相変わらず多いしね…。映画ではほとんど省略されていたような気がするけど、警察側からの捜査も描かれていて、その警察官もまた数が多いんだなー(苦笑)
ファステみたいな、良く警官やってられたなみたいな人と、偏見に捕らわれず真面目に事件の真相を突き止めようとするブブランスキーとムーディグみたいな人の対比としてはいいんだけど(女を憎む男たち対そうでない人みたいな)、それにしても人物が多すぎる。この人、無駄に登場人物を増やすのが好きなんだろうか。映画はホント上手く端折ってるわ。
リスベットが“女を憎む男たち”を憎む女である、ということは今回も貫かれています。それは今作で明らかになった彼女の生い立ちからして当然だろうなあ。
日本でも男尊女卑の考え方を持つ人はいるけど、スウェーデンってそんなにひどいのかな。前作はゴットフリードとマルティン、ここまでひどくはないけれど、今作では捜査チームのファステが体現している。勿論、ブブランスキーのような人もいるだろうから、実際はどの程度なのかはわからないけど。
映画では、リスベットが天才ハッカーという設定がほとんど活かされていなかったけど、原作ではミカエルのパソコンに侵入してダグとミアのことを知るというようなところで、ハッカーらしい行動は出てきます。しかし、ミカエルとパソコンでチャットのようにやりとりしたり、ああいうの可能なんだろうか。ちょっと怖い。
ニーダーマンが先天性無痛症という設定は原作でもあって、ただ彼は病気に負けないくらいの頑丈な体格と骨を持っているので無敵の巨人が出来上がったということになっていました。怪我の治りも早いとか。まーフィクションだからね。こういう説明があると、ふーんと思えるんだけど、映画ではそういう説明なかったから、無茶じゃんと思ってしまったわ。
映画でもそう思ったけど、原作でもリスベットは不死身のヒロインみたいになっていました。撃たれて埋められたら死ぬって普通。土がぎっしりつまっていなくて空気があったからとかそういう問題でもないような… (;・∀・)
ミカエルがハリエットと寝てるという描写も出てきて、ホント節操ないなーこの男…
ハリエットを相手にするか? 普通。何でもいいのね女なら、という感じがしてどうもね。結婚しているのに、旦那公認で愛人を持つエリカとは本質的にお似合いなんだと思うわ。
ボクサーのパオロ・ロベルトは実在の人物らしい。映画にも出ていたけど、あれ本人なんだって。というか、故人ではない実在の人物を、自伝とか歴史ものではなく虚構の物語に出演させちゃうという感覚にびっくり。
評価:★★★(3.0)
映画よりも詳しいので補完しながら読めていいんだけど、逆に映画は良く整理されているなとも思うくらい、無駄と思われる描写もあったり。海外翻訳本だから、訳の問題もあるだろうけど、それにしても1冊で収まる内容だなという印象は前作から変わらず。
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実際に事件が起こってからは急展開するので、そこからは引き込まれていくんだけど、それにしても余計だなと思うシーンも多い。
登場人物も相変わらず多いしね…。映画ではほとんど省略されていたような気がするけど、警察側からの捜査も描かれていて、その警察官もまた数が多いんだなー(苦笑)
ファステみたいな、良く警官やってられたなみたいな人と、偏見に捕らわれず真面目に事件の真相を突き止めようとするブブランスキーとムーディグみたいな人の対比としてはいいんだけど(女を憎む男たち対そうでない人みたいな)、それにしても人物が多すぎる。この人、無駄に登場人物を増やすのが好きなんだろうか。映画はホント上手く端折ってるわ。
リスベットが“女を憎む男たち”を憎む女である、ということは今回も貫かれています。それは今作で明らかになった彼女の生い立ちからして当然だろうなあ。
日本でも男尊女卑の考え方を持つ人はいるけど、スウェーデンってそんなにひどいのかな。前作はゴットフリードとマルティン、ここまでひどくはないけれど、今作では捜査チームのファステが体現している。勿論、ブブランスキーのような人もいるだろうから、実際はどの程度なのかはわからないけど。
映画では、リスベットが天才ハッカーという設定がほとんど活かされていなかったけど、原作ではミカエルのパソコンに侵入してダグとミアのことを知るというようなところで、ハッカーらしい行動は出てきます。しかし、ミカエルとパソコンでチャットのようにやりとりしたり、ああいうの可能なんだろうか。ちょっと怖い。
ニーダーマンが先天性無痛症という設定は原作でもあって、ただ彼は病気に負けないくらいの頑丈な体格と骨を持っているので無敵の巨人が出来上がったということになっていました。怪我の治りも早いとか。まーフィクションだからね。こういう説明があると、ふーんと思えるんだけど、映画ではそういう説明なかったから、無茶じゃんと思ってしまったわ。
映画でもそう思ったけど、原作でもリスベットは不死身のヒロインみたいになっていました。撃たれて埋められたら死ぬって普通。土がぎっしりつまっていなくて空気があったからとかそういう問題でもないような… (;・∀・)
ミカエルがハリエットと寝てるという描写も出てきて、ホント節操ないなーこの男…

ボクサーのパオロ・ロベルトは実在の人物らしい。映画にも出ていたけど、あれ本人なんだって。というか、故人ではない実在の人物を、自伝とか歴史ものではなく虚構の物語に出演させちゃうという感覚にびっくり。
評価:★★★(3.0)
映画よりも詳しいので補完しながら読めていいんだけど、逆に映画は良く整理されているなとも思うくらい、無駄と思われる描写もあったり。海外翻訳本だから、訳の問題もあるだろうけど、それにしても1冊で収まる内容だなという印象は前作から変わらず。
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THEMA:映画の原作
GENRE:小説・文学
TAG:スティーグ・ラーソン 「ミレニアム[小説]」シリーズ
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