2013年08月16日 (金) | EDIT |
■ シネマート六本木にて鑑賞
嘆きのピエタ/피에타
2012年/韓国/104分
監督: キム・ギドク
出演: チョ・ミンス/イ・ジョンジン
公式サイト
公開: 2013年06月15日
生まれてすぐに母親に捨てられ、30年間天涯孤独の身として生きてきたイ・ガンド。元金の10倍もの利息を取る違法なサラ金の取り立て屋をしているガンドは、借金を返せない債務者に怪我を負わせて障害者にし、その保険金で借金を返させるという極悪非道な取り立てを行っていた。そんなガンドの前にある日、彼を捨てた母親だという女チャン・ミソンが現れる。ガンドは全く信用せず、ミソンに対し粗暴な振る舞いを繰り返すが、それでもガンドの側に居続けるミソンに、ガンドは次第に心を許し始める。しかし突然ミソンは失踪し、ガンドは必死でミソンを探し回るが―――――
新宿とか渋谷でやっている間に行けなくて諦めていたら、シネマートで1週間限定公開ですと。めちゃめちゃ久しぶりに六本木へ行きましたわ。

2012年/韓国/104分
監督: キム・ギドク
出演: チョ・ミンス/イ・ジョンジン
公式サイト
公開: 2013年06月15日
生まれてすぐに母親に捨てられ、30年間天涯孤独の身として生きてきたイ・ガンド。元金の10倍もの利息を取る違法なサラ金の取り立て屋をしているガンドは、借金を返せない債務者に怪我を負わせて障害者にし、その保険金で借金を返させるという極悪非道な取り立てを行っていた。そんなガンドの前にある日、彼を捨てた母親だという女チャン・ミソンが現れる。ガンドは全く信用せず、ミソンに対し粗暴な振る舞いを繰り返すが、それでもガンドの側に居続けるミソンに、ガンドは次第に心を許し始める。しかし突然ミソンは失踪し、ガンドは必死でミソンを探し回るが―――――
新宿とか渋谷でやっている間に行けなくて諦めていたら、シネマートで1週間限定公開ですと。めちゃめちゃ久しぶりに六本木へ行きましたわ。
何だか、久々のギドクと思って期待しすぎたかもしれん。。。
ミソンがガンドの前に現れるのに、何故今頃になって?とか、問い詰められても母である証拠を示せないとか、普通に考えれば、ミソンは本当の母親じゃないのかも、とは気付きますよね。その後、いつも通りの驚愕の展開が始まるのかと思ったら、ちょっと違った。
いつもギドクの作品を観ると、人間が持つ性とそのエグさ、グロさを実感するんだけど、今回はそれとはまったく逆方向にあったように思う。
普通に考えれば、自分の息子を死に追いやった相手に対して、慈愛の心を持つようになるって有り得ないことだと思えるけど、でもミソンは、悪魔のような男ガンドの孤独に触れるうちに、意に反して慈愛の心を持ってしまった。そこが、何というか、人間、という感じで、これもやっぱり性と言えるのかなぁ。
そして、母の愛を知って、ガンドも変わっていく。これまで自分がしてきた仕打ち、債務者に対する思い。松の木の根元にセーターを着たサングが埋められているのを見て、ガンドは真相を知ったはず。それでも、あのセーターを着て2人とともに横たわり、自らの命を絶つことを選んだ。あれは彼なりの贖罪なんだろうね。走っていく車
と血の跡を、上空から撮っている映像はすごく良かった ま、あの奥さん、気付いたらびっくりだろうけど。
元ギター弾きの男
の件は、いつもギドク作品を観る時に感じる怖さがあった。生まれてくる子供のために、喜んで障害者になるという。借金を返すために片手、子供に金を残すためにもう片方の手 、と笑顔で話す男。親なら当たり前に持つ感情なんだろうけど、度を越しているというか、狂気を感じて、すごく怖かった。
展開が早いのはいいんだけど…ガンドがミソンに心を開くのがちょっと早すぎる。もう少しその機微を描いても良かったように思う。
非常に痛いシーン満載でした。。。
いつもそんなに痛いイメージないんだけど。
死んだら保険金請求が面倒だから、死なせずに障害者にして保険金で借金を返せってのもすごいけど、そんな被保険者が多いのに、保険会社は調査に入らないのだろうか。そこはツッコんじゃダメか。
韓国の町工場、しかも零細ってあんな感じなんですかね。あちらでもやはり厳しいのか。その辺はちょっと興味深かった。
評価:★★☆(2.5)
何か今までとちょっと違う感じがするけど…どうなんでしょう。個人的には「弓」「絶対の愛」「ブレス」辺りが好きなんだけど、もう少し前の作品も観てみるかなあ。
DVDの購入はコチラ
【amazon】
レンタルはコチラ
【ぽすれん】
ミソンがガンドの前に現れるのに、何故今頃になって?とか、問い詰められても母である証拠を示せないとか、普通に考えれば、ミソンは本当の母親じゃないのかも、とは気付きますよね。その後、いつも通りの驚愕の展開が始まるのかと思ったら、ちょっと違った。
いつもギドクの作品を観ると、人間が持つ性とそのエグさ、グロさを実感するんだけど、今回はそれとはまったく逆方向にあったように思う。
普通に考えれば、自分の息子を死に追いやった相手に対して、慈愛の心を持つようになるって有り得ないことだと思えるけど、でもミソンは、悪魔のような男ガンドの孤独に触れるうちに、意に反して慈愛の心を持ってしまった。そこが、何というか、人間、という感じで、これもやっぱり性と言えるのかなぁ。
そして、母の愛を知って、ガンドも変わっていく。これまで自分がしてきた仕打ち、債務者に対する思い。松の木の根元にセーターを着たサングが埋められているのを見て、ガンドは真相を知ったはず。それでも、あのセーターを着て2人とともに横たわり、自らの命を絶つことを選んだ。あれは彼なりの贖罪なんだろうね。走っていく車

元ギター弾きの男

展開が早いのはいいんだけど…ガンドがミソンに心を開くのがちょっと早すぎる。もう少しその機微を描いても良かったように思う。
非常に痛いシーン満載でした。。。

死んだら保険金請求が面倒だから、死なせずに障害者にして保険金で借金を返せってのもすごいけど、そんな被保険者が多いのに、保険会社は調査に入らないのだろうか。そこはツッコんじゃダメか。
韓国の町工場、しかも零細ってあんな感じなんですかね。あちらでもやはり厳しいのか。その辺はちょっと興味深かった。
評価:★★☆(2.5)
何か今までとちょっと違う感じがするけど…どうなんでしょう。個人的には「弓」「絶対の愛」「ブレス」辺りが好きなんだけど、もう少し前の作品も観てみるかなあ。
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【ぽすれん】
監督:キム・ギドク
出演者:チョ・ミンス、 イ・ジョンジン、 ウ・ギホン、 カン・ウンジン、 クォン・セイン
収録時間:104分
レンタル開始日:2014-01-08
Story
ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したキム・ギドク監督作。30年間天涯孤独に生きてきた借金取りの男・ガンドの前に、突然母親だと名乗る謎の女が現れる。疑いながらも、女から注がれる無償の愛に、彼は彼女を母親として受け入れるが…。R-15作品 (詳細はこちら)
ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したキム・ギドク監督作。30年間天涯孤独に生きてきた借金取りの男・ガンドの前に、突然母親だと名乗る謎の女が現れる。疑いながらも、女から注がれる無償の愛に、彼は彼女を母親として受け入れるが…。R-15作品 (詳細はこちら)
【TSUTAYA DISCUS】 | 【DMM.com】 |
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この記事へのコメント
確かに、いくら「あんたを殺したい!」とか思ってても、自分のトラックで轢死してるの知ったらびっくりですよね。
ていうかあの奥さん疑われちゃうんじゃないのかという…^;
動機もってますからね
贖罪については私も同意見です
真相を知ってでも、母と慕った女の側で贖いたかったのだと、思います
ていうかあの奥さん疑われちゃうんじゃないのかという…^;
動機もってますからね
贖罪については私も同意見です
真相を知ってでも、母と慕った女の側で贖いたかったのだと、思います
2014年04月14日(月) 21:48 |
| maki #jQTfdwCM[ EDIT]
コメントありがとうございます
> 確かに、いくら「あんたを殺したい!」とか思ってても、自分のトラックで轢死してるの知ったらびっくりですよね。
びっくりどころじゃない、腰抜かしますね(笑)
確かに、あの奥さん疑われそうですね。
> 真相を知ってでも、母と慕った女の側で贖いたかったのだと、思います
わたしもそう思います。切ないですね。
母の愛、傍から見ると怖いところもありますが、ガンドにはちゃんと届いたのでしょうね。

> 確かに、いくら「あんたを殺したい!」とか思ってても、自分のトラックで轢死してるの知ったらびっくりですよね。
びっくりどころじゃない、腰抜かしますね(笑)
確かに、あの奥さん疑われそうですね。
> 真相を知ってでも、母と慕った女の側で贖いたかったのだと、思います
わたしもそう思います。切ないですね。
母の愛、傍から見ると怖いところもありますが、ガンドにはちゃんと届いたのでしょうね。
2014年04月15日(火) 01:20 |
| りお(管理人) #xPbS6JcU[ EDIT]
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今の所、この作品が、私の今年のNo.1。キム・ギドク作品には好き嫌いがあるので、これを私のNo.1と言うのには勇気がいるが、大変面白かったんだから仕方がない。打ちのめされた、という気持ちが主流だが。
私が母性を過剰評価しているとか、母性に幻想があるとか、そういうのではない。むしろ、韓国の(特に男子の)母性への無条件なある種盲信みたいなものには、村上龍の「半島を出よ」に書いてあった、逃亡...
2013年10月07日(月) 12:33:09 | ここなつ映画レビュー
PIETA
2012年
韓国
104分
ドラマ
R15+
劇場公開(2013/06/15)
監督:
キム・ギドク
『うつせみ』
脚本:
キム・ギドク
出演:
チョ・ミンス:チャン・ミソン
イ・ジョンジン:イ・ガンド
ウ・ギホン:フンチョル
カン・ウンジン:ミョンジャ
クォン・セイ...
2014年01月11日(土) 15:31:11 | 銀幕大帝α
天涯孤独で生きてきたガンドは借金を返せない人間を障害者にさせて保険で支払わせる冷酷な男。ある日彼の前に、母親を名乗る謎の女が現れる。やがて女の献身的な愛によって、心を閉ざしていた男の感情に変化が生まれ、人間性を取り戻して行くのだが…。
ピエタ(聖母マリアがイエスの亡骸を抱く彫刻や絵のこと)から触発されて作られた母と子の物語。
冒頭、障害者となった青年が首を吊る…それが大きな伏線になってい...
2014年04月13日(日) 10:04:29 | いやいやえん
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