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メルボルン 
2014年10月27日 (月) | EDIT |
 第27回東京国際映画祭にて鑑賞
メルボルンメルボルン/MELBOURNE
2014年/イラン/91分
監督: ニマ・ジャウィディ
出演: ペイマン・モアディ/ネガル・ジャワヘリアン/マニ・ハギギ/シリーン・ヤズダンバクシュ/ロウシャナク・ゲラミ

アミル・ネジャティと妻のサラは、今日、留学先のオーストラリアのメルボルンに発つことになっており、アパートを引き払う準備を進めていた。サラは、赤ん坊ティナがいる隣人モサイェビの子守から、急用ができたからすぐに戻ると言われ、ティナを朝から預かっていた。子守がなかなか戻らないため、サラはモサイェビにティナを引き取ってもらうよう電話を入れる。
ティナを寝かせている寝室の片付けに取り掛かったアミルが、大きな音を立ててしまうが、ティナは全く起きる様子を見せない。アミルがティナの様子を見ると、ティナは死んでいた。パニックになったアミルとサラは言い争いになるが、そこへモサイェビがティナを引き取りに来る。アミルはティナが死んでしまったことを言い出せず、ティナはサラが散歩に連れて行ったと嘘をついてしまう―――――


コンペティションの中でもすっごく気になっていた作品。上映後にQ&Aがありました。
TIFF2014_01

右から2人目がニマ・ジャウィディ監督。

観ていて、アスガー・ファルハディの「別離」を彷彿させました。主演が同じペイマン・モアディってだけではなく、全体的な雰囲気が似ていると思った。Q&Aでもそういう質問が出たので、同じように感じた人は他にもいると思う。

主役2人が暮らすというか、出て行こうとしているアパートの一室でほぼ展開されていて、他の人は、部屋へやってくるか電話で登場という形。そもそも2人は部屋の片づけをしているから部屋にこもって当然だし、ティナが死んでしまってからは外に出られる訳がない。そこは不自然じゃなく、上手く話が展開していると思います。舞台でもイケるんじゃないですかね。
そういうシチュエーションなので、やたらと電話がかかってくる んだけど、固定電話、アミルの携帯、サラの携帯、スカイプ、家にやってくる人、モサイェビとか質屋とかの携帯、電話も色々で面白かった。イランでも、携帯電話はコミュニケーションツールとして普通に活用されているそうです。

監督が友人の赤ん坊 と取り残された時に、赤ちゃんが静かに寝ているのですごく不安になって、色々音を立てたりしたことから思いついた作品だそうで、確かに、乳幼児突然死症候群って割と耳にするし、アミルたちの動揺はとても身近に感じられた。ティナが動かない?ってアミルが気付く時に、ドアがぎぃ…ぎぃ…って音を立てているのも、不安感を煽られました。

親切心で預かっただけなのに、なんでこんなことになってしまったんだろう?って途方に暮れたり、何とか取り繕おうと、嘘をついてどんどん深みにハマってしまうのが、非常にリアルでした。最初から嘘をつかなければとか、預からなければとか、アミルとサラはお互いを責めてしまうけど、後の祭りなんだよね。
オチがどうなるのかドキドキしていたんですが、アミルたちはああいう風にしか出来なかったというのもわかるし、何ともやりきれない。空港に向かうタクシーの中でアミルが泣くけれど、恐らく2人はメルボルンへ行っても、このことを忘れられないと思う。あれからどうなったんだろうって、のどに引っかかって抜けない骨のように、ずっと気になったまま。
別に2人がティナを殺した訳じゃない。誰のせいでもない。ただ不運だっただけ。でも、それだけでは割り切れないよね…って感じが、すごく好みでした。

評価:★★★★☆(4.5)
こういう映画、すごく好きです。「別離」が好きな人なら、好きなんじゃないかな? まぁ、後味は良くないですけどね。
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THEMA:東京国際映画祭
GENRE:映画
TAG:ニマ・ジャウィディ ペイマン・モアディ ネガル・ジャワヘリアン マニ・ハギギ シリーン・ヤズダンバクシュ ロウシャナク・ゲラミ 第27回東京国際映画祭 
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