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黄金のアデーレ 名画の帰還 
2015年11月22日 (日) | EDIT |
 試写会にて鑑賞
黄金のアデーレ 名画の帰還黄金のアデーレ 名画の帰還/WOMAN IN GOLD
2015年/アメリカ、イギリス/109分
監督: サイモン・カーティス
出演: ヘレン・ミレン/ライアン・レイノルズ/ダニエル・ブリュール/ケイティ・ホームズ/タチアナ・マズラニー
公式サイト
公開: 2015年11月27日

1998年、LAに住むユダヤ人のマリア・アルトマンは、亡くなった姉ルイーザの遺品の中から、戦時中にナチスがウィーンの自宅から奪っていったクリムトの絵画“黄金の女”の返還を求めて、弁護士とやり取りしていた手紙を見つける。マリアが家族とウィーンに住んでいた頃、自宅には、伯父フェルディナント・ブロッホ=バウアーが妻アデーレをモデルにクリムトに描かせた肖像画が飾られていた。やがてナチスが台頭しユダヤ人への迫害が始まるようになり、マリアの自宅にあった数々の美術品や宝飾品はナチスに奪われてしまい、その中にはアデーレの肖像画もあった。そして絵画は現在、ウィーンのベルヴェデーレ宮殿にある美術館に収められていた。マリアは姉の遺志を受け継ぎ、アデーレの肖像画を取り戻すため、友人の息子であるランディ・シェーンベルク弁護士に力を貸して欲しいと頼む。ランディは始めは渋っていたものの、“黄金の女”の価値を知り、引き受けることに。オーストリア政府はナチスに奪われた財産を持ち主に返還する美術品返還審問会を行っており、ランディは嫌がるマリアを説き伏せ、2人でウィーンへやってくる。アデーレは美術館への寄贈を遺言していたが、その遺言の所在が不明だったため、ランディとマリアは、現地の記者フベルトゥス・チェルニンの協力を得て、アデーレの遺言状を探し出す。遺言状からは、正当な所有者はマリアであることが示し出され、これを元に2人は審問会へ絵画の返還を訴える。しかし、これ程の名画をオーストリア政府が手放すはずはなく、訴えは却下されてしまう―――――


試写が当たりましたので、行ってきました。最近、意図している訳ではないのですが、ナチスものが続いております。
実話が元になっているため、もちろん調べればどうなったかはわかるけど、それにしても邦題でネタバレするってどうなの? (-_-;) まぁ、そういう意味ではオチはわかっているので、安心して観ることができるとも言えるけど。

美術品返還審問会なんてやっているんですねえ。まぁ、確たる証拠があるのに却下するってことは、パフォーマンスなんでしょうけど。
予告でも流れているけど、マリアの審問会でのスピーチは、ぐっときます。奪われてしまった自分の人生、家族、それは取り戻せないから、せめて思い出だけでも取り戻したい、それがあの画だと。
画の名前も変えられてしまったというのも酷いよなあ。今は“アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像I”となっているようですが、IIもあるんですね。IIはオーストリアにあるようですが、こちらはマリアの所有じゃなかったということなのかな。

最初は金目当てだけだったランディが、実際にオーストリアに行って、変わってくる心理がすごく伝わってきた。だって、ランディにもルーツなんだもんね。もう金のためじゃなくなってきている。自分の思いも重なって、ランディは暴走してしまうけれど、それに応えるために、自分のトラウマを乗り越えてマリアもオーストリアにやってくるシーンはじーんとしました。

フベルトゥスは、協力してはいるけど、「絶対無理だ」とか言ったりして、ちょっとキャラがブレているなあという印象。父親がナチスに関わっていることで、贖罪をしようとしていることが最後にわかるけど、「顔のないヒトラーたち」のトーマスに比べて中途半端。これくらいの描き方なら、別にいなくても良かった気がするよ。

マリアが亡命するために逃げるシーンは緊迫感ありました。マリアは無事に逃げられたのはわかっているけれど、現在のマリアが独り身で、夫と離ればなれになるのかと思っていたので。

ヘレン・ミレンは上品なお婆ちゃん役がぴったり。ランディを振り回す様は、「あなたを抱きしめる日まで」のフィロミナを思い出しましたが。
ダニエル・ブリュール、久しぶりに観ましたが、ちょっと勿体ない使い方でした (´・ω・`)ショボーン

評価:★★★(3.0)
邦題でネタバレしてなきゃ、もうちょっと見方も違っただろうけど、悪くないです。109分なので、無駄なくサクサク進むし。
“アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像I”は、今もNYのノイエ・ギャラリーで常時観られるようになっているとのこと。いつか観に行ってみたいです。

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THEMA:☆試写会☆
GENRE:映画
TAG:サイモン・カーティス ヘレン・ミレン ライアン・レイノルズ ダニエル・ブリュール ケイティ・ホームズ タチアナ・マズラニー 
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COMMENT
この記事へのコメント
お早うございます。
今朝、ネットで調べてようやく分かったのですが(注)、ジャーナリストのフベルトゥス・チェルニンは、実際には、本作で取り扱われている件で大きな働きをしたようです(言われてみれば、ドイツ語の読めないランディがウィーンで資料探しなんてできませんし)。
でも、映画でそのように描けば、焦点がボケてしまうと制作側は考えたのかもしれません。
元々娯楽映画なのですから事実通りに描く必要はないとはいえ、おっしゃるように、「これくらいの描き方なら、別にいなくても良かった気」がします(何しろ、『ラッシュ』のダニエル・ブリュールですから、「ちょっと勿体ない使い方」です!)
なお、「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅱ」も「Ⅰ」と同時にマリア側に返還され、オークションの際に「Ⅰ」とは別の人に落札され、今はニューヨーク近代美術館(MOMA)に寄託されているとのことです。

(注)「舞台はウィーン」というブログの「映画「黄金のアデーレ」の嘘」を始めとするクリムト関連の記事をお読みください(http://wienok.blog119.fc2.com/blog-entry-1883.html)。
2015年12月09日(水) 06:51 |   | クマネズミ #nmxoCd6A[ EDIT]
クマネズミさん
コメントありがとうございます

>ジャーナリストのフベルトゥス・チェルニンは、実際には、本作で取り扱われている件で大きな働きをしたようです

へえ、そうなんですね。
それならもう少し活躍させても良かったと思いますが…

>なお、「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅱ」も「Ⅰ」と同時にマリア側に返還され、オークションの際に「Ⅰ」とは別の人に落札され、今はニューヨーク近代美術館(MOMA)に寄託されているとのことです。

なるほど、じゃあちゃんと返還されて、どちらも見ることが出来るんですね。
いつか本物を見てみたいですねえ…
2015年12月10日(木) 08:28 |   | りお(管理人) #xPbS6JcU[ EDIT]
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