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週に1本は劇場で映画を観る!が合言葉。 主に映画、時々小説の感想を脳内垂れ流しで書きなぐるブログ。ネタバレあり。
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7分間 
2016年11月09日 (水) | EDIT |
 第29回東京国際映画祭にて鑑賞
7分間7分間/7 MINUTI
2016年/イタリア、フランス、スイス/91分
監督: ミケーレ・プラチド
出演: オッタヴィア・ピッコロ/アンブラ・アンジョリーニ/クリスティアーナ・カポトンディ/フィオレッラ・マンノイア/マリア・ナツィオナーレ
公式サイト(イタリア語)

不況の煽りを受け、イタリアのヴァラッツィ織物会社は、フランスの大手ロシェット社に吸収合併されることが決まる。主要工場をフランスに移すとなると、繊維工場で働く300人の女性工員が職を失うため、ニュースでも大々的に取り上げられていた。工員たちの処遇を巡って労働者側と経営陣との話し合いがもたれることになり、工員たちの代表として選出された委員会の11人は、リーダーのビアンカが話し合いの場から戻ってくるのを待っていた。そして数時間後、漸くビアンカが戻ってくる。ビアンカが伝える経営陣が示した内容は、工場は閉鎖せず、そのため300人の解雇はなし、シフトの変更もないというものだった。ただ一つ、提案があり、これについて11人の決を採って、賛成が半数以上であれば雇用は保証され、反対が半数以上あればロシェットはフランスに戻ると言う。たやすい条件に聞こえるが、安易に賛成はしないで欲しいとビアンカは念を押し、その条件を告げる。それは、1日に15分ある休憩時間を7分間減らすというものだった―――――


漸くTIFFのレビューに突入。もう終わっているけどー
コンペ部門1作目。主演のオッタヴィア・ピッコロとアンブラ・アンジョリーニによるQ&Aがありました。(→公式サイト)
TIFF2016-01_Q&A@7分間
アンブラ・アンジョリーニは、映画の中でも美人さんだなーと思っていたのですが、実際観るとホント綺麗でした
この作品は、実話がベースなんだそうです。舞台にもなっていて、主演のオッタヴィア・ピッコロは、舞台でもビアンカ役を演じているそうな。
監督が「12人の怒れる男」にインスピレーションを受けたと言っているように、よく見る手法ではあるんだけど、そもそもの事件というか出来事が日本では知られていないので、結果どうなるのかが読めず、引き込まれました。

たかが7分、されど7分。最初は“たかが7分”なんだけど、議論が進んでいくうちに、このタイトルでもある“7分間”がとても重要な意味を持つということがわかってくる。40年工場に勤務しているビアンカが、「40年前の休憩時間は45分だった」と言った時の衝撃。それがだんだん減っていき、今は15分。そして更に7分減らされようとしている。それをメンバーが理解した時に、場の雰囲気が一変するんだよね。わたしも、思わずはっとしました。

最初は10対1で始まった議論が、最終的に皆がビアンカに同調するのではなく、議論の結果、やっぱり自分の出した結論を貫く人もいる。本当にこういう形で話し合いがもたれたのかはわからないけど、そこはリアルだなと思った。
こういうの観ると思うのは、やっぱり労働組合って大事だなーってこと。昨今ブラック企業なんて話題になるけど、そういう局面で力になるのは、労働者たちがまとまって物申すことなんだよなあ。今は組織力も下がっているし、なかなか難しいんだろうけど。

最初は女性ばかり11人、年齢は様々とはいえ区別つかん… と思っていたけど、それぞれキャラが立っているので、進んでいくうちに見分けがつくようになりました。やはりオッタヴィア・ピッコロがいて、全体が締まるって感じですね。ビアンカ役は適役でした。あとはアンブラ・アンジョリーニの演じたグレタが、ビアンカと反対意見を唱えて、感情的に行動する役なので、目立ってました。

評価:★★★☆(3.5)
こういう問題は、どこの国でも共通しているんだね。自分も働く者として、とても身近に感じるテーマであり、面白かったです。

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THEMA:東京国際映画祭
GENRE:映画
TAG:ミケーレ・プラチド オッタヴィア・ピッコロ アンブラ・アンジョリーニ クリスティアーナ・カポトンディ フィオレッラ・マンノイア マリア・ナツィオナーレ 第29回東京国際映画祭 
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2016年11月17日(木) 17:30:23 |  ここなつ映画レビュー