2007年03月31日 (土) | EDIT |


著 者: 山田宗樹
出版年: 2004年
出版社: 幻冬社文庫/幻冬社
東京で一人暮らしをする大学生、川尻笙の元に、九州に住む父、紀夫が2年ぶりに突然訪ねてくる。笙には知らされていなかったが、紀夫には30年前に家を飛び出した松子という姉がいたが何者かに殺され、紀夫は松子の遺体を引き取りに来たのだった。笙は紀夫から、松子の住んでいたアパートの片づけを頼まれる。笙は恋人の明日香に促され、渋々ながらも松子のアパートへ行き、2人で部屋の片付けを始める。事件を捜査している警察によると、松子の元恋人で、殺人を犯し最近出所した龍という男が疑わしいと言う。偶然、龍と出会った笙は、龍や松子の古くからの知り合いだという沢村めぐみたちから、松子の壮絶な人生を知らされる。
昭和46年、23歳だった松子は中学校の教師をしていた。そこで起きたある窃盗事件が元で、松子は退職へと追い込まれてしまう。それを境に、松子の運命は転落の一途を辿ることになる―――――
映画を観る時間が取れないからという訳ではないのですが…本なら通勤時間中に読めたりするからねー。
山田宗樹って、この本で初めて名前を知りました。無知ですんません。
映画を先に観ているので、イメージはしやすかったかな。それを置いても、非常に読みやすい。全編一人称で語られているせいもあるのだろうけど、とにかく読みやすい。
松子自身は、単に運の悪い人って感じだな。画に描いたような転落の人生を送ったけど、人に流されているというか、依存しているというか、自分のために人生を生きていないので、どうにも同情出来ないし、感情移入もし辛かった。自らの意思で生きていたのは、中州でトルコ嬢になっていた辺りじゃないのかなあ。後で松子自身もそう言っているけど。
こうやって読むと、映画はかなり上手く映像化しているんだね。刑務所の中とか、端折るところは上手く端折っているし。小説は、笙が自力で調べたり人に聞いたりして、松子の人生をだんだん身近に感じていくという感じになっているけれど、映画では、笙はほとんどどうでもいい扱いだったような(笑) まぁ、映画はそれでいいと思うけどね。
小説としては、語り部がころころ変わるのが気になった。しかも全て一人称。あんまり効果的とは思えないんだけど…。
全て他人から松子の人生を語らせるならば、それでいいと思うんだけど、途中で松子自身の語りが入るのがなあ。だったら、全部松子に語らせればいいのに。
それで思いだしたのが、宮部みゆきの「長い長い殺人」。これは登場人物の財布が語り部となっていて、その語り部が次々に変わるオムニバス形式を取っているんだけど、これは上手いんだよね。そういう意味では、この小説の構成はあんまり上手くないなあ…という印象。
評価:★★☆(2.5)
本を読んでも、…それで? ┐(´ー`)┌ って感じは払拭できませんでした。映画と同様、松子に感情移入出来なかったのが敗因ですかね。
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松子自身は、単に運の悪い人って感じだな。画に描いたような転落の人生を送ったけど、人に流されているというか、依存しているというか、自分のために人生を生きていないので、どうにも同情出来ないし、感情移入もし辛かった。自らの意思で生きていたのは、中州でトルコ嬢になっていた辺りじゃないのかなあ。後で松子自身もそう言っているけど。
こうやって読むと、映画はかなり上手く映像化しているんだね。刑務所の中とか、端折るところは上手く端折っているし。小説は、笙が自力で調べたり人に聞いたりして、松子の人生をだんだん身近に感じていくという感じになっているけれど、映画では、笙はほとんどどうでもいい扱いだったような(笑) まぁ、映画はそれでいいと思うけどね。
小説としては、語り部がころころ変わるのが気になった。しかも全て一人称。あんまり効果的とは思えないんだけど…。
全て他人から松子の人生を語らせるならば、それでいいと思うんだけど、途中で松子自身の語りが入るのがなあ。だったら、全部松子に語らせればいいのに。
それで思いだしたのが、宮部みゆきの「長い長い殺人」。これは登場人物の財布が語り部となっていて、その語り部が次々に変わるオムニバス形式を取っているんだけど、これは上手いんだよね。そういう意味では、この小説の構成はあんまり上手くないなあ…という印象。
評価:★★☆(2.5)
本を読んでも、…それで? ┐(´ー`)┌ って感じは払拭できませんでした。映画と同様、松子に感情移入出来なかったのが敗因ですかね。
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