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犯人に告ぐ 
2006年02月27日 (月) | EDIT |
犯人に告ぐ犯人に告ぐ
著  者: 雫井脩介
出版年: 2004年
出版社: 双葉社

神奈川県警の刑事、巻島史彦には忘れられない犯人がいた。“ワシ”と名乗る犯人は5歳の男の子を誘拐し、2000万円の身代金を要求した。警察は後手に回り、身代金引き渡しの場で犯人にさんざん振り回されたあげく、“ワシ”を捕まえることは出来ず、人質は殺されてしまった。
あれから6年。川崎では男児連続殺人事件が起こっていた。“バッドマン”と名乗る犯人は犯行声明文を送りつけ、自分の犯罪を誇示していた。曾根要介警視監は、6年前、記者会見の場で頭に血が上り、醜態を晒して左遷されていた巻島を呼び戻し、川崎男児連続殺人事件を任せようとする。煮詰まっているこの事件の打開策として、マスコミを使い、犯人を挑発してあぶり出そうという“劇場型捜査”を行おうというのだ。そして巻島がニュース番組に出演し、犯人に呼びかけると、狙い通り“バッドマン”からの手紙が届く―――――


宝島社の2005年版「このミステリーがすごい!」9位の作品です。2005年版のベスト10は結構読んでるかな?
これ、ミステリっていうのかなぁ…。
推理小説とも言いきれず、ハードボイルドでもない。姿の見えない犯人をちょっとづつ追いつめるとか、事件が解決して犯人を捕まえたからどうとか、そういう話ではない。対犯人というより、巻島個人の犯人(バッドマンではなく、姿の見えない犯人全体)に対する畏怖とか、内面の問題、そういうものを取り上げているんだよね。だからか、実際に出てきた犯人像が非常に薄いのが残念。乱暴な言い方をしてしまえば、この小説は巻島の内面が主題であって、犯人はどうでもいいんですねー。

“劇場型捜査”というのは面白いなと思った。巻島の風貌(孫もいるような歳であるのに、ウェーブのかかった髪を肩胛骨に届くまでに伸ばしている)もあるし、映像化するといいのかもね。
巻島というキャラクターは、上手くすれば「新宿鮫」の鮫島みたいになったかもしれないけど、そこまでは至ってないかなー。

評価:★★(2.0)
そこそこ読めて悪くないけど、手放しで誉めるほどではないかな。推理小説と思って読まない方がいい。あまり期待せずに読むのが吉でしょう。

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THEMA:ミステリ
GENRE:小説・文学
TAG:「このミステリーがすごい!」2005年版 雫井脩介 
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