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Dear Pyongyang ディア・ピョンヤン 
2006年09月20日 (水) | EDIT |
 渋谷シネ・ラ・セットにて鑑賞
Dear Pyongyang ディア・ピョンヤンDear Pyongyang ディア・ピョンヤン/DEAR PYONGYANG
2005年/日本/107分
監督: ヤン・ヨンヒ
公開: 2006年08月26日

在日コリアン2世であるヤン・ヨンヒ。彼女の父親は、15歳の時に済州島から日本へやってきて、終戦を日本で迎える。その後北朝鮮を祖国として選んだヨンヒの父親は、朝鮮総連の幹部となり、朝鮮戦争後、1959年から20数年に渡って行われた北朝鮮への集団移住に従って、3人の息子たちを“帰国”させた。そして日本からヨンヒの兄たちへ仕送りを続け、「これも祖国のおかげ、将軍様のおかげ」と言う。一方、日本で生まれ育ったヨンヒは、幼い頃から民族教育を受けていたものの、父親の思想に違和感を持っていた。そして2001年の秋、4年遅れで父親の古希の祝いをすることになり、ヨンヒと両親は平壌へ向かう―――――


この映画館、初めて行ったんだけど、まさにミニシアターと言う言葉がぴったりな劇場でした。ちょっと衝撃。スクリーンに近い席は、何というか…普通のソファみたいな椅子だったので…
うーん。色々考えさせられましたね。
ごくごく普通の家族の映像なんだよね、中身は。ただ、この家族が在日コリアンで、父親が朝鮮総連の幹部だということが普通とは違っていて、そのために、普通の家族よりも背負っているものが少し重いだけ。
その家の一人娘であるヤン・ヨンヒは、在日コリアンではあるけれど、日本で自由に育ったために思想的にはかなり日本寄り。彼女にとっては、北朝鮮は愛する人(兄とその家族)に会いに行く場所であって、祖国という意識は非常に薄い。だから、父親の思想にイマイチ付いていけない。でもそれを言うと大喧嘩になってしまうため、そのことには触れないようにしている。
でも、時が経ってお父さんも年を取って、色々揺らいできている。今までは頑なに日本人・アメリカ人との結婚は許さないとか、韓国籍に変えることは許さないと言っていたのに、「お前の好きにしたらいい」というスタンスに変わってきている。今まで深かった父娘の溝は、少しずつ埋まってきている…のかな。
非常に重いテーマだけれど、これが、お父さんのキャラクターと大阪弁でのやり取り、そしてお兄さんたちのごくごく平凡な日常を映すことで、重くならずにすんでいる。

これ、ホームビデオで撮っていたそうなんですが、普通に北朝鮮とか万景峰号の中で撮れるんだ!というのがちょっとびっくり。北朝鮮の日常風景というものも見られて、そういう意味でも非常に興味深かった。
あと、お父さんの古希のお祝いをお兄さんたちが主催しているんだけど、実はこのお金は仕送りで賄われているということ、両親は、お兄さんたちだけじゃなくて同じように“帰国”した仲間たちにも仕送りをしていたということ、そしてそういったことに全く疑問を抱いていなくて、これを「将軍様のおかげ」と言っていることが、結構衝撃でした。

評価:★★★★★(5.0)
ドキュメンタリーとして、良くできていると思う。テーマが興味深かったせいもあるかもしれないけど、わたしには面白かった。
あ、「この父に大笑い!」みたいなキャッチコピーが付いてますが、大笑いするような内容ではありません。少なくとも、劇場内で笑いは一度も起きませんでした(たぶん)。


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監督:梁英姫(ヤン・ヨンヒ)
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在日コリアン二世の映像作家、ヤン・ヨンヒが、自身の家族を10年間に渡り追い続けたドキュメンタリー。朝鮮に帰国した3人の兄たちと、朝鮮総連の活動に人生を捧げた両親を克明に記録。父親と娘との離別と再会、そして和解を描く感動作。 (詳細はこちら

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THEMA:映画館で観た映画
GENRE:映画
TAG:ヤン・ヨンヒ 
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