fc2ブログ
週に1本は劇場で映画を観る!が合言葉。 主に映画、時々小説の感想を脳内垂れ流しで書きなぐるブログ。ネタバレあり。
| LOGIN |
HOME > 0~9 > 4ヶ月、3週と2日
4ヶ月、3週と2日 
2008年03月18日 (火) | EDIT |
 銀座テアトルシネマにて鑑賞
4ヶ月、3週と2日4ヶ月、3週と2日/4 LUNI, 3 SAPTAMANI SI 2 ZILE
2007年/ルーマニア/113分
監督: クリスティアン・ムンジウ
出演: アナマリア・マリンカ/ローラ・ヴァシリウ/ヴラド・イヴァノフ/アレクサンドル・ポトチェアン
公式サイト
公開: 2008年03月01日

1987年のある冬の日。ルーマニアの大学生オティリアは、恋人のアディから金を借り、ルームメイトのガビツァがその夜に予約してあるホテルに向かう。ところが手違いで予約が成立しておらず、オティリアはやむなく高めのホテルを予約し、ガビツァに連絡を入れると、ガビツァは自分の代わりに、ベベという男と会って欲しいという。オティリアは文句を言いながらもベベと会い、予約してあるホテルへ向かう。その部屋ではガビツァが待っていた。ガビツァは望まない妊娠をしてしまい、中絶手術が違法となっているルーマニアでは闇の中絶医を探すしかなく、オティリアは体調の良くないガビツァの代わりにホテルを押さえ、闇で中絶をしてくれるというベベを迎えにいったのだった。最初に言っていたホテルと違うことや本人ではなく別人が自分を迎えに来たことなどで、怒って帰ろうとしたベベに、ガビツァが申し出たことは―――――


ルーマニアの映画なんてあまり観たことなかったんだけど、カンヌでパルムドールを獲得したということで、気になっていたこの作品。やっと観にいけましたー
これ、一日の出来事なんだよね。
前半はオティリアが何をしているのかがわからなくて、???って感じだったんだけど、ベベがホテルにやってきて、事情がわかってからは引き込まれてしまいました。
いやしかし、キツーーーーーーーい映画でした。特に女性にはキツいんではないでしょうか。

音楽も極力抑え目で、街を彷徨うオティリアの様子とか、彼女の緊張感が伝わってきて、リアリティがありました。アディの家でのパーティシーンは、ちょっとだらだらしてるなーという感じだけど。

しかし、あまりにもガビツァが他人任せで馬鹿すぎてムカつくし、オティリアが何故そこまでガビツァに尽くすのかが理解できない。色々整えてあげるのはまだ理解の範疇だけど、“報酬”まではなんか違うでしょー!! ガビツァは何もしとらんやん…自分のことなのに! migさんと同様に、お前が何とかせい!って言いたくなる… ぐぬぬ イライラ
でも、オティリアはともかくとして、ガビツァみたく妊娠・中絶について深く考えない若い子は日本にもいるわけで…そういう意味では、キャラクターはリアリティあるのかも。
(まぁ、でもこの時代のルーマニアは、中絶どころか避妊も禁止されていたようですが)

ガビツァの妊娠・中絶を目の当たりにして、わが身の問題でもあると認識したオティリアが、アディに「もし私が妊娠したらどうする?」って聞くシーンの、アディの能天気さに苦笑。これって男と女の温度差かな。でも、実際男の意識なんてこんなもんかも。自分が妊娠するわけじゃないもんね。

同じく違法中絶を扱っている映画は「ヴェラ・ドレイク」がありますが、「ヴェラ・ドレイク」は中絶をする側だけど、こちらは受ける側。しかも、ヴェラが、親切心から違法中絶に手を染めたのに対して、こちらで出てくるベベは完全にビジネスで受けている。足元見ちゃってまあ。

評価:★★★★(4.0)
何度も観たい映画ではないですが、わたしは割りと好きなタイプの映画。しかし、観る人を選ぶと思います。


DVDの購入はコチラ
【amazon】

4ヶ月、3週と2日 デラックス版 [DVD]4ヶ月、3週と2日 デラックス版 [DVD]
(2008/09/10)
アナマリア・マリンカローラ・ヴァシリウ
商品詳細を見る


レンタルはコチラ
【ぽすれん】

監督:クリスティアン・ムンジウ
出演者:アナマリア・マリンカ、 ローラ・ヴァシリウ、 ヴラド・イヴァノフ、 ルミニツァ・ゲオルジウ
収録時間:113分
レンタル開始日:2008-09-10

Story
2007年カンヌ国際映画祭でパルムドール受賞をした、独裁政権末期のルーマニアを舞台に、友達の違法中絶を手助けする女性の一日を描いたドラマ。大学生のオティリアは妊娠してしまったルームメイト・ガビツァの違法中絶を手助けするために街を奔走するが…。 (詳細はこちら

【TSUTAYA DISCUS】【DMM.com】
4ヶ月、3週と2日4ヶ月、3週と2日4ヶ月、3週と2日4ヶ月、3週と2日

関連記事

記事が気に入りましたら、ぽちっとお願いします
fc2ブログランキング    にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ  にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

THEMA:映画館で観た映画
GENRE:映画
TAG:クリスティアン・ムンジウ アナマリア・マリンカ ローラ・ヴァシリウ ヴラド・イヴァノフ アレクサンドル・ポトチェアン 第60回カンヌ国際映画祭 
※当ブログ内の同一タグが張られた記事一覧が表示されます。
COMMENT
この記事へのコメント
No title
りおさん☆

おお~、それでも評価は高めなのね!
わたしもタイクツとかはしなかったけどなんかいらついちゃって。
意味深なラスト、、、
最後まで腹のたつ女でした(笑)
2008年03月20日(木) 10:51 |   | mig #JTxNwRAU[ EDIT]
migさん
こちらにもコメントありがとうv-344

確かに腹は立つんだけど(笑)、映画としては結構好みかな。
あのラスト、意味深だよねー…
2008年03月20日(木) 22:56 |   | りお(管理人) #xPbS6JcU[ EDIT]
パルムドール。
僕、この作品、昨日観ました。よかったです。とてもよかった。でも、こうしてよかった、と分かったのは、たくさんにレビューを読んで、反芻してから。観ているうちには、あまり感動もなかったし、何だろうこれは?と頭の中が疑問符でいっぱいでした。
これは、当時のルーマニアの社会状況を知っておかないと駄目ですね。じゃないと、解らない部分は多いと思います。てか、何も解らないと思います。
でも、さすがはカンヌだなぁ、と思いますね。これをパルムドールに選ぶあたりは。作家性が強い。強過ぎる!w
久し振りに傑作、というものに出会えた気がします。観てよかったです^^
2008年04月01日(火) 03:33 |   | マキシ #-[ EDIT]
マキシさん
コメントありがとうございますv-411

わたしはとても良かったとまでは言い切れないんだけど、結構好きなタイプの映画です。
この監督の次回作に期待が高まりますね~
2008年04月02日(水) 00:31 |   | りお(管理人) #xPbS6JcU[ EDIT]
NoTitle
久し振りにいい映画を観たと思います。
「女性にとってはきつい」つまり現実そのものがきついのです。それを映画化されたことで、カタルシスになるみたいです。
2008年10月12日(日) 11:56 |   | Bianca #HfMzn2gY[ EDIT]
Biancaさん
コメントありがとうございますv-411

カタルシスかあ…
そういう風に考えたことはなかったですね。
わたしはこの映画を観て、すっきりはしなかったですし。。。
2008年10月13日(月) 00:16 |   | りお(管理人) #xPbS6JcU[ EDIT]
すみません。映画見てて1シーンで意味が理解できなかったとこがあるのでご存知でしたら教えていただけませんか?ガビツァの中絶費用で足りない分はオティリアが売春して補ったって事なんでしょうか?話のやりとりが具体的でなかったのでどういうことかわかりませんでしたので。高評価を得られるほどの個性の強い映画だということは納得できますがラストすっきりしないですね。ホント・・・。
2008年12月28日(日) 18:51 |   | よし #-[ EDIT]
よしさん
コメントありがとうございますv-411

> ガビツァの中絶費用で足りない分はオティリアが売春して補ったって事なんでしょうか?

わたしはそう解釈しました。
ちょっと前に観た映画なので詳細は覚えていませんが、
確かそのようなやり取りだったか、匂わせることがあったと思います。

> 高評価を得られるほどの個性の強い映画だということは納得できますがラストすっきりしないですね。ホント・・・。

すっきりはしないですね確かに…。
その原因はすべてガビツァの態度にあると思いますが!
2008年12月30日(火) 06:22 |   | りお(管理人) #xPbS6JcU[ EDIT]
りお(管理人) さんへ
返事ありがとうございます。やっぱりそうなんですね。なんで自分より相手の事を心配するんだろう・・・とか、会話のやり取りにあいまいな部分が多かったりして何度も巻き戻して確認し直したりと理解するのか大変でした(汗)でもそうやって考えさせられるのかこの高評価を得た理由のひとつでもあるんでしょうね。ありがとうございました。
2008年12月31日(水) 23:59 |   | よし #-[ EDIT]
コメントを投稿
URL:
COMMENT:
PASS:
SECRET: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
カンヌ国際映画祭で、 最高の賞であるパルムドール受賞! おまけに、アカデミー賞外国語映画賞ルーマニア代表でノミネート。 3月に観たいリストに入れ忘れてたけど、それ聞いて興味がわいた。 妊娠中絶をテーマにした話ということしか知らずに観たけど、、、、、。 ち...
2008年03月19日(水) 00:21:02 |  我想一個人映画美的女人blog
 『これは 二人だけ の秘密──。』  コチラの「4ヶ月、3週と2日」は、1987年独裁政権下のルーマニアを舞台に法律で禁じられたことを実行した勇気あるヒロインを描いたPG-12指定のサスペンスで、3/1公開となっていたのですが、観て来ちゃいましたぁ~♪  60回を迎?...
2008年03月31日(月) 21:31:13 |  ☆彡映画鑑賞日記☆彡
33.4ヶ月、3週と2日■原題:4Luni,3SaptaminiSi2Zile■製作年・国:2007年、ルーマニア■上映時間:113分■字幕:地田牧子■鑑賞日:3月29日、銀座テアトルシネマ(京橋)■公式HP:ここをクリックしてください□監督・脚本・製作:クリスティアン・ムンジウ...
2008年04月29日(火) 10:24:53 |  KINTYRE’SDIARY
人気ブログランキングの順位は? 1987年 ルーマニア・・・ 独裁政権下の自由を奪われた社会 ルームメイトを助けるために 彼女の長い一日が始まる> これは、二人だけの秘密──。
2008年05月04日(日) 15:17:57 |  ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!
これは二人だけの秘密!__独裁政権下の自由を奪われた社会。たった一日の出来事が彼女を変えた。どんなことがあっても、私は女として自由でありたい。 全女性必見の勇気あるヒロインの物語! 1987年の冬のある日、チャウシェスク政権下のルーマニアで、大学生のオティ...
2008年05月05日(月) 22:42:49 |  パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ
 カンヌ映画祭グランプリ。重苦しい話で、ちょっと辛かったです。(5月20日 静岡
2008年05月20日(火) 20:16:25 |  eclipse的な独り言
 これは二人だけの秘密・・・・・。貴方ならどうしますか? 6月に入りました。梅雨ですね。この映画は5月2日に鑑賞したのですが・・・。レビューせず、ほったらかしにしていました。もう1ヶ月経ってしまったのですが。かなり印象深い作品でしたね。 ルーマニアの映...
2008年06月02日(月) 16:15:45 |  銅版画制作の日々
4 Months, 3 Weeks, and 2 Days(2007/ルーマニア)【DVD】 監督・脚本・製作: クリスチャン・ムンギウ 出演:アナマリア・マリンカ/ローラ・ヴァシリウ/アレックス・ポトシアン/ルミニツァ・ゲオルジウ/アディ・カラウレアヌ これは二人だけの秘密―。 2007年カ...
2008年09月18日(木) 12:48:24 |  小部屋日記
1987年。チャウシェスク独裁政権末期のルーマニア。大学生のオティリア(アナマリア・マリンカ)は、 望まない妊娠をした寮のルームメイト、ガビツァ(ローラ・ヴァシリウ)から、違法中絶の手助けを 頼まれる。手術当日、オティリアは恋人からお金を借りると、ガビツァが...
2008年10月05日(日) 23:12:16 |  心の栄養♪映画と英語のジョーク
2007年 ルーマニア 113分 鑑賞 DVD   監督・脚本 クリスティアン・ムンジウ 出演 アナマリア・マリンカ  ローラ・ヴァシリウ 違法な中絶をする友人を助けるために奔走する女子大生の一日を描いた映画。 ルーマニア映画で初のカンヌ最高賞(パルム・ドール)を受?...
2008年10月12日(日) 02:47:25 |  しづのをだまき
      = 『4ヶ月、3週と2日』  (2007) = 1987年、ルーマニア。 大学生であるオティリア(アナマリア・マリンカ)とガビツァ(ローラ・ヴァシリウ)は、寮のルームメート同士。 ガビツァは望まぬ妊娠をしていたのだが、法律によって、中絶は刑罰の対?...
2008年10月13日(月) 22:56:14 |  サムソン・H・トマトマスバーガーの限りなく映画
あらすじ1987年の冬のある日、チャウシェスク政権下のルーマニアで、大学生のオティリアは寮のルームメイトのガビツァとせわしくなく動き回っていた。寮を出たオティリアはホテルへ行くが、予約が入っていない事を知り、仕方なく別のホテルを取る。またガビツァの代わ...
2009年02月03日(火) 19:52:10 |  虎党 団塊ジュニア の 日常 グルメ 映画 ブログ
原題:4 luni, 3 saptamani si 2 zile このタイトルは意味深というか、とっても直接的でそのものズバリでしょう、4ヶ月を越え5ヶ月近くともなれば、そんなことをしちゃあいけないのだろうけどねぇ~ 富国強兵、それが当時のチャウシェスク独裁政権下の国策なん...
2009年03月22日(日) 19:05:17 |  茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~
『4ヶ月、3週と2日』を観ました共産政権末期のルーマニアを舞台に、ルームメートの違法中絶を手助けする女子大生の1日を描き、2007年カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した人間ドラマです>>『4ヶ月、3週と2日』関連原題: 4LUNI,3SAPTAMANISI2ZILE    4MONTH...
2009年12月05日(土) 23:15:54 |  おきらく楽天 映画生活