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家族狩り[文庫版] 
2006年04月09日 (日) | EDIT |
幻世(まぼろよ)の祈り―家族狩り〈第1部〉遭難者の夢―家族狩り〈第2部〉贈られた手―家族狩り〈第3部〉

巡礼者たち―家族狩り〈第4部〉まだ遠い光―家族狩り〈第5部〉家族狩り[文庫版]
著  者: 天童荒太
出版年: 2004年
出版社: 新潮文庫/新潮社

児童相談センターに勤める氷崎游子は、酔った父親に虐待されていた少女、玲子を保護する。父親の駒田とトラブルになった游子は、その後、うまく玲子とコミュニケーションが取れずにいた。その頃、高校の美術教師をしている巣藤浚介は、恋人の清岡美歩に妊娠したと告げられる。しかし、親との間に確執を抱えている浚介は、自分が家族を持つことに嫌悪感を抱いていた。馬見原光毅刑事は、以前に知り合った冬島綾女とその息子研司のことを気にかけてきたが、心を病んでいた妻の佐和子が退院出来ることになり、佐和子に負担をかけないためにも綾女との関係を断ち切ろうと、最後の旅行をしていた。そんな3人が、浚介の勤める高校の生徒、芳沢亜衣が起こした傷害事件をきっかけとして邂逅する―――――


元の作品は山本周五郎賞を受賞しているのですが、文庫版はこれに構想を得た、まったくの書き下ろしだそうです。文庫化するに当たって、加筆訂正はよくあるけど、まったく書き下ろすというのは珍しいパターンじゃないのかな。オリジナルは未読です。
かなり読み応えありました。文庫本5冊な割にはすらすら進みますし。
天童荒太の作品って、そんなに数多く読んでいる訳ではないけど、暗い感じの話が多いイメージ。これも御多分に漏れず暗い。家族を扱っていて、それに絡む殺人も出てくるので暗くなるのは避けられないんだけれど、最後にちょっと救いのある感じになっているので読後感は悪くないです。特に浚介はすごく変わっていっているし、馬見原にしても、家族との関係はすべて解決した訳じゃないけど、本人も含めて良い方向に変わろうとしていることがわかるので、未来が見える感じになっています。

亡くなっていたりとか、事情があって縁を切っている場合も含めて、誰にでも家族はある訳で、そういう意味ではものすごく身近なテーマだけど、だから余計に重く感じるというか…。上手く言えませんが。
わたしは特に家族に問題といえるほどの問題を抱えていないので、「暗いなー」ぐらいで読めましたが、そういう問題を抱えている人が読むと、また全然違った感想になるでしょうね。

評価:★★★★★(5.0)
面白かったです。オススメ。


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THEMA:読書感想文
GENRE:小説・文学
TAG:天童荒太 山本周五郎賞 「このミステリーがすごい!」1997年版 
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