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週に1本は劇場で映画を観る!が合言葉。 主に映画、時々小説の感想を脳内垂れ流しで書きなぐるブログ。ネタバレあり。
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火の粉 
2006年04月19日 (水) | EDIT |
火の粉火の粉
著  者: 雫井脩介
出版年: 2003年
出版社: 幻冬社

裁判官の梶間勲は、ある殺人事件の被告人、武内真伍に無罪の判決を下す。その凶悪な殺人事件は、自らも襲われたと証言していた武内の体に付いた傷が、本当に襲われて出来たものなのか、自作自演なのかが焦点となっていたが、勲は他人に負わされた傷と判断したのだった。担当検事は勲に向かい、「あなたは殺人犯を社会に解き放った」と言い放つ。
判決から2年後、裁判官を退官し大学教授として教鞭に立つ勲の元に、武内が訪れる。武内は勲に感謝の意を示し、勲は学生たちの前で武内に体験談を語ってもらう。そして別れた数日後、突然梶間家の隣人として武内が現れる。最初は単なる偶然かと思われたが、次第に武内は勲の妻、尋恵と親しくなり、まるで家族のような顔をして梶間家に入り込んでくる。そんな武内に、勲の息子の妻、雪見は胡散臭さを感じていた…


犯人に告ぐ」が思ったほどではなかったんだけど、1作だけで判断せずに、同じ著者の作品を2~3作は読むようにしています。
いやいや、これは面白い! (・∀・)
武内が少しずつ梶間の家に入り込んでくる。いつの間にか、家族のような顔をしてそこにいる。だんだん明らかになってくる武内の不気味さが、こう…ぞぞっとしました。こういう人いそうだもん。人との距離の取り方が下手というか、べったりくっついてくる人。ただ距離が取れない人なら (`皿´) ウザっですむけど、武内はもっと巧妙で、一見親切を装っている(多分、自分では悪気は全くない)のがコワイ。おかしいと思う自分がおかしいのか?と思わせる。実際、武内を怪しんでいるのは嫁の雪見だけで、おかげで雪見自身が窮地に立たされてしまう。

勲は、自分で下した判決に雁字搦めになってしまったけれど、実際の裁判官は、自分で下した判決を疑うことはない気がするなぁ。それ疑ったら、アイデンティティが崩れてしまうし、そうしたら裁判官という仕事を続けられないでしょう。人が人を裁くって難しいです。しかし、それでもなければならない職業だしね。

評価:★★★★★(5.0)
これは、サイコの部類に入るかな? 自分がこういうジャンルを好きだからかもしれないけど、面白かったです。サイコ好きな人にはオススメ。


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THEMA:ミステリ
GENRE:小説・文学
TAG:雫井脩介 
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