2006年06月18日 (日) | EDIT |

著 者: 野沢尚
出版年: 2002年
出版社: 講談社
官庁街連続爆発事件を起こした新興宗教“メシア神道”の教祖、坂上輪水の死刑判決が下った瞬間、渋谷のスクランブル交差点で無差別爆弾テロが起こる。殺人を犯し、刑務所で服役する妻を持つ刑事、鳴尾良輔は事件現場で爆弾に混入していたと見られるビーズを発見する。獄中の妻、籐子が秘密裏に行ったプロファイルとビーズ絡みの事件を調べた結果、容疑者として照屋礼子という1人の女が浮かび上がる。彼女は、当局の命を受けてメシア神道に潜入した公安刑事だった。礼子が潜入刑事だったことを悟られたくない公安部は、彼女の存在を明らかにしようとしない。そんな警察をあざ笑うかのように、礼子は次々と爆破を繰り返していく―――――
野沢尚、結構好きで何作か読んでいます。本当に亡くなったのが残念。
“メシア神道”、明らかに某新興宗教をモデルにしていますね。富士山麓に信者が集まって暮らす集落があったり、信者と肉体関係を結びまくり種違いの子供を何人も産む教祖(女ですからね)とか。もしあの某新興宗教で教祖が女だったら、こんな感じだったかな?と思わせる。
ミイラ取りがミイラになるように、潜入だった礼子が、いつの間にか教祖坂上輪水に取り込まれていったんだけど、礼子には元々そういう要素があったというのが、鳴尾の捜査でだんだん明らかになってくるのが面白かった。ただ、現場に残されたビーズだけで沖縄の事件と結びつけてしまうのは、ちょっと乱暴な気もする。
他にも、礼子が鳴尾とやり取りをして、その結果書かれた手記という手法を取っているけど、本当は礼子(&鳴尾)が知り得ないと思われることも書いてしまっているので、その辺はちょっと違和感があるかな。あと、普通の主婦であったはずの籐子が、何故そんなにどんぴしゃなプロファイリングが出来るのかも謎。
礼子が書いている手記なのに、礼子の気持ちがイマイチ理解しづらいところはあるかな。「礼子は壊れているので理解できない」と割り切ってしまえば、まぁ気にならないか。
評価:★★★☆(3.5)
少々気になる点はあるけれど、面白かった。ただ、礼子にも鳴尾にも籐子にも感情移入しきれないのは辛かった。
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ミイラ取りがミイラになるように、潜入だった礼子が、いつの間にか教祖坂上輪水に取り込まれていったんだけど、礼子には元々そういう要素があったというのが、鳴尾の捜査でだんだん明らかになってくるのが面白かった。ただ、現場に残されたビーズだけで沖縄の事件と結びつけてしまうのは、ちょっと乱暴な気もする。
他にも、礼子が鳴尾とやり取りをして、その結果書かれた手記という手法を取っているけど、本当は礼子(&鳴尾)が知り得ないと思われることも書いてしまっているので、その辺はちょっと違和感があるかな。あと、普通の主婦であったはずの籐子が、何故そんなにどんぴしゃなプロファイリングが出来るのかも謎。
礼子が書いている手記なのに、礼子の気持ちがイマイチ理解しづらいところはあるかな。「礼子は壊れているので理解できない」と割り切ってしまえば、まぁ気にならないか。
評価:★★★☆(3.5)
少々気になる点はあるけれど、面白かった。ただ、礼子にも鳴尾にも籐子にも感情移入しきれないのは辛かった。
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